二ケ領用水に静かな火ゆらゆら

多摩区宿河原で灯ろう流し
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川崎市多摩区宿河原の二ケ領用水で8月23日、親子連れなど約500人が参加して手作りの灯ろう約300基を流した。
400年の歴史を持つ二ケ領用水を、次代を担う子どもたちがふるさとと誇れる場所にしようと、「二ケ領用水の環境を守る会」(大島勝夫事務局長)が、宿河原町会や子ども会、宿河原駅前商店街、宿河原堤桜保存会と共催し、夏の伝統行事・灯ろう流しを4年前からお盆に行っている。
当初予定していた17日が雨だったため、この日に順延となった。
参加した子どもたちは、夕方からセレサ川崎宿河原支店前で、大島さんらが用意したサクラの絵を印刷した画用紙の灯ろうに願い事を書き、組み立てた。午後6時半にろうそくに一斉に火を灯し、同駅上流の北村橋付近から次々と水に浮かべると、「きれい」と歓声があがった。なかには、用水を漂う自作の灯ろうについて約800メートル下流の東名高速道路下の稲荷橋付近の回収場所まで歩いた家族連れもいた。勤め帰りや買い物帰りの人も、桜の木がかぶさった薄暗い水面を涼しげな光で点々と照らして流れる灯ろうに足を止めて見入っていた。

(2003年9月11日)

灯ろうを用水へ流す
灯ろうを組み立てる子